ステロイド離脱療法 | |||
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ステロイドは副腎皮質ホルモン剤で、体の免疫力を抑制する働きを持っています。 ステロイド離脱療法はステロイドのこうした免疫力への抑制力を利用した治療法です。 ウイルス肝炎の患者にステロイドを使用すると、免疫反応が抑えられ、生体の監視機構がゆるんでしまうため、肝臓に潜んでいたウイルスはいっせいに増殖を開始するようになります。ある時期に急にステロイドを中止すると、今まで抑えられていた免疫力が一気に活性化され、ウイルスに対して攻撃を始めるのです。結果としてウイルスが減少します。 ステロイド離脱療法をおこなうことによって、慢性肝炎になった人の20〜30%がウイルスを抑えることに成功します。 ステロイド離脱療法は患者の免疫力でウイルスのいる肝細胞を破壊する治療法なので、どんな患者でも行える治療法というわけではありません。特に、治療の負担に耐えられるだけの肝臓の予備能力が必要になります。 下記の場合はステロイド離脱療法が適応しません。 肝硬変 黄疸がある場合 AFP値が高い場合 GOTの方の値がGPTより大きい場合 トランスアミナーゼの再上昇が早すぎる場合 ステロイド剤の副作用次のようなものです。 (1) 蛋白から糖の生成を促進したり、末梢での糖の利用を抑制したり、インスリン作用を阻害し糖尿を起こす。 (2) 蛋白の同化を抑制するため筋の萎縮や骨粗鬆症を起こす。 (3) 抗体の産生を抑制する等の免疫抑制作用。 (4) 脳下垂からのACTHの分泌を抑制するために副腎が萎縮するなど。 | ||