肝炎情報センター

                    C型肝炎に2倍の効果








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 200万人以上とされる国内のC型肝炎ウイルス感染者の7割が感染しているタイプで、ウイルス量が多いため従来の治療法が効きにくい難治性のウイルスについて、既存の治療薬「インターフェロン」と未承認の抗ウイルス剤「リバビリン」を併用すれば2倍以上の治療効果が得られることが、シェリング・プラウ社(本社・大阪市)が国内で行った臨床試験の結果でわかった。シェ社は近く、厚生労働省に輸入承認を申請する。C型肝炎から移行する肝がん患者が増え続け、事態が深刻化していることから、同省では、データをチックするなどの審査を最優先で行う方針だ。

 臨床試験は、1998年から2年間かけて、全国約40の病院で約400人の患者を対象に行われた。C型肝炎ウイルスは血液を介して感染が広がる。現在、最も効果があるとされる治療薬は「インターフェロン」だが、国内患者の7割を占めるタイプのウイルスでは、血液に含まれるウイルス量が多い場合、ウイルスを除去できるのは、患者全体のわずか6〜8%と言われてきた。ところが、シェ社の臨床試験によると、リバビリンと併用して、半年間投与したところ、250人中約18%にあたる40人の血液からウイルスが完全に消えたという。

さらに他のタイプのウイルスに感染し、これまで単独投与では十分な効果が得られなかった患者についても、再治療で併用療法を試みたところ、76%の患者がウイルスを除去できた。

この併用療法は、欧米では既に承認されており、臨床試験に携わった厚生労働省肝炎研究班長の飯野四郎・聖マリアンナ医科大教授は「国内でも予想以上の治療効果が確認され驚いている。感染が心配な人は早急に検査を受けてほしい」としている。

読売新聞 2001年4月6日