肝炎情報センター

          
                インターフェロン:
       抗がん遺伝子の活性化確認

      





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 インターフェロンが、がん細胞の増殖を抑制する遺伝子の働きを促すことが、東京大大学院の谷口維紹教授(免疫学)と高岡晃教講師らの研究で分かった。インターフェロンと抗がん剤の併用で、治療効果を落とさずに副作用の少ない治療の実現が期待される。17日の英科学誌「ネイチャー」電子版に発表された。
 がんに対する一般的な放射線や抗がん剤の治療は、DNAに損傷を与えることで、がん細胞の増殖を抑制するp53遺伝子を活性化させる。

 研究グループが実験で細胞にインターフェロンを与えたところ、p53の働きが活発化し、がん化が抑制された。さらに、ヒトの肝臓がんの細胞にインターフェロンを投与したところ、低量の抗がん剤の投与でも、がん細胞が死滅することが確認された。

 インターフェロンは、ウイルス感染によって体内で生産されるたんぱく質。抗ウイルス効果があり、肝炎の治療などに使われている。抗がん作用も知られていたが、その仕組みはよく分かっていなかった。放射線や抗がん剤には白血球の減少や脱毛などの副作用があることが問題になっている。
 毎日新聞2003年7月17日