肝炎情報センター

          
                輸血原因?肝炎に300人…
      過去3年の医師報告で
    
      






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 「輸血が原因で肝炎に感染した可能性がある」などと医師が判断した感染症報告が、最近3年間で約300件も厚生労働省に寄せられていたことが、14日わかった。

 日赤は、報告の9割以上について、輸血と感染の因果関係を認めていないが、ウイルス感染の恐れのある輸血用血液が、年間2200人分もあった疑いが明らかになり、同省は、関連性の有無に注目している。輸血専門医からは「報告は氷山の一角」という声も相次いでいる。

 医師が輸血に伴う副作用や感染症被害を疑った場合、日赤が薬事法に基づき、情報を収集、国に報告することになっている。日赤によると、肝炎に関する報告はB型が2000―2002年で計156件、C型は計141件あった。日赤は99年秋に精度の高い新検査法を導入している。

 この報告のうち、日赤が因果関係を認めたのは、保管していた輸血用血液が再検査で陽性(ウイルス検出)だったケースに限られ、B型は2000年5件、2001年7件、昨年8件の計20件。C型では再検査の陽性は1件もなかった。

 一方、同省では、医師から「輸血との関連性が確実」「可能性が大きい」と報告され、人工透析に伴う院内感染など他の感染原因が見当たらないケースに関心を寄せている。こうした場合でも日赤は「再検査の結果が陰性」との理由で、因果関係を認めないが、同省は、献血がウインドー期間(感染直後で病原体を確認できない期間)中で、検査をすり抜けたケースが含まれた可能性があるとみている。
 読売新聞2003年7月15日