肝炎情報センター

          
                <献血輸血>肝炎に感染した疑いのある
     患者が29人に 4〜6月
     
      






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 輸血によってC型肝炎ウイルス(HCV)やB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した疑いのある患者が、4〜6月の3カ月で医療機関などから29人報告されていたことが、厚生労働省の調べで分かった。このうち28人分は、献血者の検体を高感度の方法で再検査しても、ウイルスが検出されない「陰性」だった。

 同省が医療機関などからの副作用報告をもとに集計したところ、輸血用血液製剤が原因と疑われる報告数はHCVが11人、HBVが18人いた。

 献血血液の検査では、献血者がウイルスに感染した直後で、抗体やウイルスが微量のために検査で陽性にならない空白期間(ウインドーピリオド)がある。このため、日赤は99年にウイルスの遺伝子を増幅して検出する核酸増幅検査(NAT)と呼ばれる手法を導入。29人の検体については再検査をしたが、1人分がHBV陽性と判明したものの、残り28人分は陰性のままだった。

 NATの導入で、ウインドーピリオドは大幅に短縮されたが、それでもHCVで約23日、HBVで約34日、エイズウイルス(HIV)で約11日あり、検査をすり抜ける可能性が指摘されてきた。HIVに感染した血液が検査をすり抜けた例は、まだ報告されていない。

 同省は「現在の検査は非常に精度が高いが、それでも限界がある。検査で陽性になった献血者については過去の献血歴を調べ、その血液を排除するよう努めたい」と話している。
 毎日新聞2003年7月15日