肝炎情報センター

          
                 長野県発/B・C型肝炎
        県補助急増4億5000万に 来年度
          
      









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 B、C型肝炎ウイルス感染患者に県が独自に行っている医療費補助の総費用は来年度、本年度より五割以上増えて四億五千万円余になる見通しとなったことが二十九日分かった。公費負担による検査が始まり感染が分かるケースが増えていることや、サラリーマンの医療費自己負担が三割に引き上げられるため。県は、独自補助は続ける姿勢だが、国にも引き続き負担を求めていく方針だ。

 81年度から行っている事業で、肝炎患者に対し、通院は二千円、入院は一万四千円を超えた分を補助している。国が難病と認めたスモン、パーキンソン病など四十五の病気についての制度に準じた扱いだ。

 県保健予防課によると本年度の受給者数は5381人で、補助総額は二億九千万円余。来年度は、800人余多い6184人を見込む。「これまでより多くの人が検査を受け始め、潜在的な患者が表に出てきた」と同課。医療費の自己負担引き上げもあり、補助総額は一億六千万円増える。

 全国では北海道、東京都、愛知、富山県が同様の制度を設けているが、東京都は患者の増加や治療法の普及などで「難病とはいえなくなった」として昨年九月末、補助制度を原則廃止。北海道は「存続の要望が強い」として継続している。

 田中知事は昨年11月の記者会見で「厚労省はC型肝炎を結果として放置してきた。きちんとした手だてが行われるまでは補助を続けたい」と述べた。

 県は国に繰り返し負担を要望しているが、厚労省は「該当する制度がなく、他の疾病との兼ね合いもある。現状では難しい」との姿勢。県肝臓病患者会協議会の土屋桂一会長は「患者の医療費負担は大きく、補助制度のある自治体に住民票を移す患者もいる。医療を通じて感染した人がほとんどで、本来は国の責任で治療費を負担すべきではないか」と訴えている。

 信濃毎日新聞2003年1月30日