肝炎情報センター

          
              E型肝炎:ドブネズミの3割が感染歴           
      







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 E型肝炎への感染歴を示す免疫物質(抗体)を、ドブネズミの約3割が持っていることが、国立感染症研究所などの調査でわかった。途上国で主に飲食物から感染するE型肝炎は、昨年、国内での患者発生や死亡が確認されたが、その感染源は依然不明。E型肝炎ウイルスが感染する動物の中で、ネズミは生活圏が人間と重なり、フンなどを介して感染させる可能性もあるため、研究者は「ネズミを含めた感染経路を詳しく調べる必要がある」と指摘している。この成果は福岡市で来月開かれる日本肝臓学会で発表される。  

 同研究所の阿部賢治・主任研究官らは、東京、神奈川、愛知、宮崎、沖縄の5都県で2000―02年に捕獲された5種類のネズミ507匹の血液を分析。その結果、ドブネズミは362匹のうち114匹(31%)、クマネズミは90匹のうち12匹(13%)から、過去にE型肝炎に感染したことを示す抗体が見つかった。ハツカネズミなど3種からは、抗体が全く検出されなかった。  

 E型肝炎ウイルスは、感染した人や動物の排せつ物に含まれ、それが新たな感染源となる。抗体をもつネズミの中には、水産市場で捕獲された例もあり、研究者は「市場などの衛生管理を徹底する必要がある」としている。  

 ネズミについては、米国でE型肝炎の抗体が高率に検出されている。

 讀賣新聞2003年4月11日