肝炎情報センター

          
         E型肝炎:手術受けた男性が輸血で感染
              北海道室蘭市の病院
           
      






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 北海道室蘭市内の病院で手術を受けた男性が昨年7月、輸血によってE型肝炎に感染し、発病していたことが分かった。E型肝炎ウイルス(HEV)は経口感染することが知られていたが、輸血での感染が国内で確認されたのは初めて。北海道赤十字血液センターが調べた別の献血からもHEVが見つかった。献血ではHEVのチェックはしておらず、対応が求められそうだ。

 関係者によると、感染したのは心臓手術を受けた60代の男性。手術には23人分の献血が使われたが、手術後に保存されていた献血を分析した結果、1人分からHEVを検出した。男性から見つかったHEVと遺伝子が一致し、輸血による感染が確認された。男性には吐き気などの症状が出たが、既に完治した。

 北海道赤十字血液センターは昨年9月、緊急調査を実施。肝炎ウイルスによる汚染が疑われて不合格となった18人分の献血を調べ、6人分からHEVが検出された。

 日赤はB型とC型肝炎については全献血を調べているが、E型肝炎は調べていない。未知の肝炎ウイルスへの対策として、肝炎になると血液中に増える酵素を調べているが、問題の献血はこの検査に合格していた。

 E型肝炎による献血の汚染実態については2月にも、厚生労働省研究班や日赤などが全国調査・対策を検討する。

 E型肝炎が発症すると、発熱、吐き気、黄疸(おうだん)など急性肝炎の症状が表れる。大半は軽症で済むが、死亡例も出ている。

  毎日新聞2003年1月18日