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 <肝炎検査>財政難で実施先延ばしの自治体も 
厚労省アンケ









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 今月から始まった40歳以上を対象とする老人保健法に基づく基本健康診査のC型肝炎ウイルス(HCV)検査について、厚生労働省が全国の市区町村に実施状況をアンケートしたところ、40歳から5歳ごとに実施する「節目検診」は約1割、肝機能異常を持つ人などに対する「要指導者等検診(節目外検診)」は約3割の自治体が「予算が厳しい」などを理由に今年度内の実施を決めていないことが18日、分かった。HCVは放置すると肝硬変、肝臓がんに進行する恐れがあるため、同省は早期実施を呼びかけている。

 この検査は、今年度スタートした厚労省の「C型肝炎等緊急総合対策」の一環で、市区町村は5年以内に、国や都道府県から3分の2の補助金を受けて検査を実施することになっている。

 アンケートは都道府県を通じて全国3241市区町村に行った。このうち「節目検診」は2877自治体が今年度、73自治体が来年度から実施と回答。291自治体が未定・未記入だった。

 「要指導者等検診」は2120自治体が今年度、123自治体が来年度から実施と回答。未定・未記入が998自治体だった。今年度からの実施が節目検診より少ないのは、厚労省が今月に入って急きょ血液製剤を投与された疑いのある人を対象に加えたことや、受診者のプライバシー保護に自治体側が苦慮している表れと見られる。

 今年度からの実施を決めていない理由は、「予算確保が難しい」「実施体制の不備」を挙げた自治体が目立った。「陽性反応が出た場合の本人への伝え方が難しい」という訴えも多かった。

 厚労省老健局によると、市区町村の負担額は受診者1人平均1000〜2000円程度。

 HCVは血液を介して感染し、日本では輸血や血液製剤の投与などで200万人以上の感染者がいると推定されるが、半数近くが感染に気づいていないと見られている。
 毎日新聞 2002年4月18日